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つねにやめたい。

執筆者の写真: rurirurikakesururirurikakesu

あみぐるみ歴20年以上となりますが、常に「やめたい」です。


これを言っちゃうと話にならないのですが、つねにやめたいです。


あみぐるみなんてものは、何の役にも立たないのです。

おなかが膨れるわけでもなし、何かためになるわけでもなし。

心がほっこり?したところでなんになるというのでしょう。


実際、私は自分の作品はめったなことでは飾ったりしていません。


作って売ったところでしれてるし、考えて教えたところでしれています。

生産したいならどこかの工場で働くとか、教職に就きたいなら学問に走った方がいい。

人を癒したいのならマッサージの一つでも覚えろってもんです。


なのにどうしてこんなに長々と続いているのか。


わかりません。


他のことをやってなかったからでしょうね。


作ったら人に見せたいし、見せて褒められたらうれしいし、売れたら次を作る糧になるし、その繰り返しでほそぼそと自転車操業を続けてきている感じです。

作りたい、と思うものはあるけれど、作らないと死ぬわけではない。

作らなきゃ、と思うための予定を組み込むことで自分をどうにか動かしています。

大義名分はありません。


あえて言うなら、島のものや海のものを表現していきたいのですが、これはいわゆる帰巣本能に近いのかもしれない。


編まなくたっていいんですたぶん。

ただ、今のところ、自分に適した表現方法がこのくらいしか思いつかないし、思いつかずに他のことにも手を出さずに来ているうちに、編むことぐらいしかできなくなってきている。老化ですね。


どうせならもっと自分のためにも世界のためにもなる仕事をしてがつがつ稼ぎ、編み物はあくまで趣味としてよその誰かが描いた美しい編み図を踏襲する喜びだけに浸っていればいいんです。


そうなんです。


なんですけど、今日もまた自分だけが知ってる完成イメージに向けて、自分だけの編み方で編んでいます。

何メートルも。


これは完成しないとなんなんだかわからないし、完成のさせ方も私しかわからないし、完成したところで世の中の役には立たない。

今、自分が死んだら、ただの編まれた糸です。

完成したところで、ただの編まれた糸のカタマリです。


扱っているのは毛糸なのに、不毛。


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